日々の仕事に追われて、長い間ブログを書くか事がでなくて、久しぶりの投稿になります。
この一年は新たな農家さんに出会うこともあって、またいくつかのお味噌を仕込みました。その辺りも追々、書けたらなぁと思っています。夏前には新作のお味噌を販売予定です。
今年も田んぼをしています。昨年、蒜山耕藝さんから頂いた『亀治』という品種でお米を作り、今年も種を繋いでいます。昨年はイモチにかかり心配しながら見守って、手探りしながら何とか収穫まで漕ぎ着けて、圃場の3反に対して約350kg程収穫出来ました。とても少ない量ですが、私たちが田んぼに向き合い、お米が育ってくれたこと、それは言葉では表せないほどの感動でした。春から秋にかけて見せる田んぼの風景はそれぞれに魅力が溢れていて、初々しさ、逞しさ、日増しに成長するお米に愛しさを感じる毎日でした。それと同時に農家さんの偉大さが改めてわかりました。今までに当たり前のように使っていたお米や大豆の重みを痛感させられ、お味噌に使わせてもらえるありがたみを感じられました。
また、そのお米に向けて降りてくる菌の気持ちも少なからず理解も出来ました。
そんな私たちが使わせて頂いている圃場ですが、10年近く使われていない、いわゆる耕作放棄地でした。圃場の持ち主に話を聞いてみると、過去に使われていた方がいて、その方は40年程無農薬で作られていたそうです。戦後の食糧不足の時代に農薬、肥料が当たり前、収量をあげることが正義の中、周りからヤジを飛ばされながらも無農薬を続けていたそうです。
そんな彼らは毎朝決まって無事に収穫どきるよう太陽に向かってお祈りをしていたそうです。自然を尊い、自然に想いを託している姿は当時も人には理解されず、それでも毎日続けていたそうです。
僕も天然菌に向き合うようになって、目でみることの出来ない菌の世界は、目に見えないものを信じる十分なきっかけになりました。お米が無事に育ち、収穫できるように自然の神にお祈りするのは必要な精神だと思います。そもそも、肥料も農薬もしていないので、僕ができることと言えば除草と見守る(祈る)ことぐらい。
名前も知らない人が何十年も守ってきた圃場は僕たちを待ってくれていたかのような、そんな思いになりました。移住して4年目にお米を作ろうと思えて、この圃場に巡り合えたのが、奇跡に思えました。
これからも菌たちが気持ち良くこの場所で生きていけるよう、そんな田んぼにしていきたいと思います。僕たちも太陽、山々、水、田畑、稲、菌に畏敬の念を忘れず、お祈りしていけたらと思います。